恒星間ボトルメール

Interstellar Message in a Bottle

『涼宮ハルヒの憂鬱』(2003)【文学は孤独につける薬】

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涼宮ハルヒの憂鬱

現実世界で冴えない毎日を送る男が、ラノベで美少女との関わりを妄想して満たされなさを慰める。

ラノベの読者にはこんなスティグマが付きまとう。

ラノベの世界で起きることには欲望が赤裸々に反映される。これを浅ましいと捉えることもできるが、人間本性に真摯に向き合っていると捉えることもできる。

涼宮ハルヒの憂鬱』は、平凡な男子高校生の「俺」が、美少女だが変人の涼宮ハルヒに振り回されるSFラノベである。

作中では「俺」が、美少女たちの胸が強調されたコスプレを見たり、美少女からの置き手紙で放課後の教室に呼び出されたり、美少女と二人きりで休日を過ごしたりする様子が描かれる。

代わり映えのしない生活を送る男子にとって、これはまさに夢のようである。

しかし同時に、未成年女子に性的なまなざしを向けている。

現実世界で女に相手にされない男が語り手の「俺」に自分を重ねて作中の美少女を性的に消費する。この構図はフェミニストの格好の攻撃材料である。

しかし、文学はポリコレとは別の地平で繰り広げられる。欲望を文章上で実現させたら浅ましくて目を当てられなかったとしても、それが人間。人間の本性に目を向けるのも文学の立派な仕事である。

数百年後、古典として『涼宮ハルヒの憂鬱』が読まれることになってもおかしくない。

HARUHI SUZUMIYA

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