はじめに
こちらの記事で考えた東北地方・鉄道旅行の計画に沿って、青春18きっぷで東北と栃木県を回ってきた。
乗換駅で待ち時間がある時はできる限り改札の外に出て駅前を歩き、その賑やかさを自分の目で見てきた。 同じ乗換駅でも建物の高さや店の多さ、賑やかさに大きな違いがあった。
そこで、主観的な賑やかさと、乗換駅がある市町村の人口にはどのような関連があるのだろうかと疑問に思った。
というわけで私が見て歩いて感じた賑やかさと、市町村人口の関連を調べた。
方法
今回の鉄道旅行で乗り換えに使った駅や実際に降りた駅、全部で16駅について調べた。
まず、各駅の主観的な印象を端的にコメントした。そして一番賑やかだと感じた仙台駅を星5、一番寂しいと感じた新白河駅を星1として、各駅の主観的賑やかさを星の数で表した。
令和2年国勢調査から各市町村の令和2年(2020年)の人口を入手した。
結果
主観的賑やかさと市町村人口をまとめた表はこちらである。
「立派」とした駅には、バスターミナルが大きく、駅ビルに各種店舗が入り、駅前周辺に複数の高い建物があった。
一方、「寂しい」とした駅には、駅前に高い建物がなく、お土産屋や飲食店、各種サービスの店がまばらに見られた。
人口については、10万未満、20万未満、40万未満、100万未満、100万以上で区分した。
おおむね、10万未満が星1つ、20万未満が星2つ、40万未満で星3つから4つ、100万以上で星5つになるという傾向が見られた。
なお、横手市に関しては印象を忘れてしまったので記載できていない。
考察
県庁所在地の駅には全国展開する店舗の支店があり、県内各地への移動の起点になっている傾向がある。このことが駅前の立派さに関係すると考えられる。
米沢市は10万未満であるが、他の10万未満の駅と違って星2つとやや賑やかである。この主観的賑やかさには米沢牛の料理を提供する店が立ち並んでいたことに由来すると考えられる。観光資源が賑やかさに関係することの傍証である。
本研究の制約として、市町村人口と都市圏人口に違いがあること、昼夜で賑やかさの印象に違いが出ることが挙げられる。
まず、市町村人口と都市圏人口は異なる。たとえば一般的な「仙台都市圏」には名取市や塩竈市を始めとする複数の市町村が含まれるが、これは本研究で用いた仙台市の人口に含まれていない。この場合、仙台駅周辺の人口を過小評価することにつながっている可能性がある。
ただ、都市圏について詳しく考慮することは負担が大きいため本研究では簡便な市町村人口を用いた。
また、今回の旅行では、旅程の関係で昼間に訪れた駅と夜に訪れた駅がある。寂しい駅に関しては夜により寂しく見えてしまっている可能性がある。
まとめ
仙台市は東北地方の中で別格の巨大都市であるので別にして、それ以外の県庁所在地の駅(宇都宮、福島、山形、秋田、盛岡)は市町村人口が30~50万の前後であるというのは一つの目安として頭に入れておくのがよいかもしれない。
人口が10万未満で集客効果の大きな観光資源を持たない場合は、駅前の印象は寂しいものとなる。