恒星間ボトルメール

Interstellar Message in a Bottle

喘息・COPDのお薬

今回は宝島社『医者からもらった薬がわかる 実用ガイドブック』の第10章「呼吸器の病気」を参考にして、喘息とCOPDの治療薬に関するTweetを拾っていきます。

今日のお薬

商品名 一般名 分類 主な適応
フルタイド フルチカゾンプロピオン酸エステル 吸入ステロイド薬(ICS) 喘息など
ホクナリン ツロブテロール 長時間作用性β2刺激薬配合剤(LABA) 喘息など
アドエア フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩 吸入ステロイド・β2刺激薬配合剤(ICS/LABA配合剤) 喘息など
フルティフォーム フルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロールフマル酸水和物 吸入ステロイド・β2刺激薬配合剤(ICS/LABA配合剤) 喘息など
シムビコート ブデソニド/ホルモテロールフマル酸水和物 吸入ステロイド・β2刺激薬配合剤(ICS/LABA配合剤) 喘息など
スピリーバ チオトロピウム臭化物水和物 長時間作用性抗コリン薬(LAMA) 喘息など
テリルジー フルチカゾンプロピオン酸エステル/ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩 吸入ステロイド・抗コリン薬・β2刺激薬配合剤(ICS/LAMA/LABA配合剤) COPDなど
メプチンエアー プロカテロール塩酸塩水和物 短時間作用性β2刺激薬(SABA) 喘息発作

ホクナリンテープ以外の7種はすべて吸入薬です。

Tweets

フルタイド(ICS)

ホクナリン(LABA)

アドエア(ICS + LABA)

フルティフォーム(ICS + LABA)

シムビコート(ICS + LABA)

スピリーバ(LAMA)

テリルジー(ICS + LAMA + LABA)

メプチンエアー(SABA)

解説

喘息治療薬にはふだん使用する長期管理薬(コントローラー)と喘息発作時に用いる発作治療薬(リリーバー)の2種類がある。

主なコントローラーは吸入ステロイド薬(ICS1)、長時間作用性β2刺激薬(LABA2)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA3)である。 ICSとLABAの配合剤やICSとLABAとLAMAの配合剤もある。

ICSは抗炎症作用をもち、LABAとLAMAは気管支拡張作用をもつ。

主なリリーバーは短時間作用性β2刺激薬(SABA4)である。SABAもLABAと同様に気管支拡張作用をもつ。

気道平滑筋が受ける自律神経性調節についての補足

気道の平滑筋は交感神経と副交感神経の両方によって支配される。

交感神経の節後線維はアドレナリンを放出し、気道平滑筋に分布するβ2受容体を刺激する。この刺激によって平滑筋は弛緩する。交感神経が優位になって体が戦闘モードになっているときに、気管支を拡張して空気を多く取り込むことは合理的である。

LABAやSABAはアドレナリンの代わりにβ2受容体を刺激して、気管支を拡張させる。

一方、副交感神経の節後線維はアセチルコリンを放出し、気道平滑筋に分布するムスカリン受容体を刺激する。この刺激によって平滑筋は収縮する。副交感神経が優位になって体がリラックスモードになっているときに、気管支を収縮させて空気の取り込みを抑えることも合理的である。

LAMAはムスカリン受容体をブロックすることにより、気管支の収縮を防ぐ。LAMAは抗コリン薬であるため、閉塞隅角緑内障の患者や前立腺肥大等による排尿障害のある患者に対しては禁忌である。

参考

  • 立川靖之『医者からもらった薬がわかる 実用ガイドブック』(宝島社、2019年)

  1. Inhaled Corticosteroid

  2. Long-acting β2-agonist

  3. Long-acting muscarinic antagonist

  4. Short-acting β2-agonist