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第110回看護師国家試験(2021年2月実施)を解いてみた

2022年の看護師国家試験は2月13日(日)に行われるみたいです。今回はそれに備えて(?)、一年前の看護師国家試験の問題を解いてみます。

問題形式

看護師国家試験は午前の部と午後の部の2つに分かれています。それぞれの部で、160分かけて120問を解きます。一問に80秒かけられる計算です。

午前、午後のいずれの部でも、120問の問題のうち、25問は必修問題、65問は一般問題、30問は状況設定問題です。つまり、午前と午後を合わせると必修問題は50問、一般問題は130問、状況設定問題は60問です。

必修問題は、「これは知らないとまずいぞ」という問題です。合格基準が2つあるのですが、そのうちの一つが必修問題で80%正解することです。

一般問題と状況設定問題の得点は合計されます。一般問題は1問1点であるのに対し、状況設定問題は1問2点のため、後者のほうが重みが大きいです。こちらの合格基準は一般+状況設定問題でおおよそ6~7割の点数を取ることです。このボーダーラインは毎年変動し全受験生のおよそ90%が合格するようなレベルに設定されます。

必修問題で80%とるという絶対基準とそれ以外の問題で6~7割を取るという相対基準の両方をクリアして初めて試験合格となります。

解いてみよう

こちらで試験問題を入手しました。早速解いてみましょう。

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nurse

結果

結果はこちらです

タイプ 正解数 問題数 正解率 得点 満点 合格基準
必修 18+21 50 0.780 39 50 40
一般 48+44 130 0.708 92 130 -
状況設定 20+21 60 0.683 82 120 -
一般+状況設定 - 190 - 174 250 159

正解数の欄は「午前の部の点数+午後の部の点数」の形式で表記しています。

必修問題のほうは惜しくもあと1点のところで合格基準を超えられませんでした。

一般+状況設定問題のほうではこの年の合格基準の159点を上回る174点を取ることができました。

つまり、看護師国家試験合格までほんとうにあと一歩でした。

必修問題の振り返り

番号 テーマ 内容 URL
A2 患者調査における外来受療率 2017年。外来受療率と入院受療率。傷病分類別で外来受療率が高いのは順に消化器系(歯の疾患が主)、循環器系(高血圧性疾患が主)。 厚生労働省「患者調査」
A4 要介護認定の申請先 要介護認定の申請先は市町村。介護保険法。 介護保険法
A6 原始反射 手掌把握反射は5~6か月で消失。足底把握反射は6~7か月で消失。Babinski反射は1~2歳で消失。
A9 国民生活基礎調査における世帯の家族構成 2018年。65歳以上の者のいる世帯の割合はおよそ50%。 厚生労働省「国民生活基礎調査」
A10 保健所 保健所は地域保健法に基づいて設置。 全国保健所長会地域保健法
A15 喀血 喀血(下気道よりの出血)は泡状。吐血(消化管より出血)は食物残渣を含み酸性。
A25 胸骨圧迫 胸骨圧迫の深さは5cm。 JRC蘇生ガイドライン
B2 国民健康・栄養調査における運動習慣 2017年。男性で運動習慣のある割合が最も多いのは70歳以上。 厚生労働省「国民健康・栄養調査」
B3 人口1人当たりの国民医療費 2016年。 \dfrac{4.2 \times 10^{13}} {1.3 \times 10^{8}}で一人あたり国民医療費は33万円。 厚生労働省「国民医療費」
B7 乳歯の生え揃えの時期 20本の乳歯が生え揃うのは2~3歳。 日本歯科医師会「歯とお口の発生と育ち方」
B16 ループ利尿薬 副作用は低K血症。心室不整脈は副作用。「本剤の利尿効果は急激にあらわれることがある」。夜間服用すると夜間トイレが増えるので昼間服用。 kegg「フロセミド添付文書情報」

感想

状況設定問題は看護師特有の知識が求められていました。そのため確証を持って答えることは難しかったです。しかし、何とか考えて答えを出していったところ、3分の2程度の正解率を出すことができました。

大まかに分けて、医学知識、看護知識、公衆衛生知識の3つが問われていました。公衆衛生知識は知識不足でわからないものが多かったです。

まとめ

去年2月に実施された110回看護国家試験を解いてみました。

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