(本記事にネタバレはありません。ご安心ください。)
映画
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」、通称「ぼく明日」は2016年のクリスマスシーズンに公開された映画です。
20歳の美大生・高寿(福士蒼汰)が同い年の専門学生・愛美(小松菜奈)に出会って、愛美と付き合って素敵な日々を過ごします。二人の関係性が甘すぎて甘すぎて、見続けることができずに、アマプラで再生中に何度一時停止・再生を繰り返したことでしょうか。
しかし、「ぼく明日」は、ただの恋愛映画ではありません。
愛美は大きな秘密を抱えています。それ以上はネタバレになってしまいますので明かせません。
愛美の抱える秘密が高寿と愛美の恋に対する大きな試練となります。二人が避けられない運命にどう向き合うのかが本作の泣かせどころです。
原作本
「ぼく明日」の原作は七月隆文の同名小説です。
印象的な表紙絵はカスヤナガトの作品です。
各国の『ぼく明日』。個人的には真ん中のタイ版が、異国情緒があって好き。 pic.twitter.com/V20LENB6I1
— 七月隆文 (@nanatsuki_t) May 5, 2017
原作本が2015年に第三回 京都本大賞を受賞
みなさまお待たせ致しました!
— 京都本大賞 (@kyotobontaisho) November 3, 2015
第三回 京都本大賞 発表!!
大賞作品は
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする。』七月隆文 著(宝島社)
に決まりました!! pic.twitter.com/HswmLT9xCK
雑感
「ぼく明日」はもう、典型的な「Boy meets girl」です。ストーリーの構成は「起承転結」です。
高寿が愛美に出会って恋に落ち、勇気を振り絞って声をかける。高寿の前に試練が立ちはだかるが何とか乗り越える。高寿は大きく成長していた。
話の内容は「Boy meets girl」にしてストーリー構成は「起承転結」にするのは定石中の定石と言えます。
「Boy meets girl」は人類の大部分が共有できるありふれた話題です。何をしてもよい人生で人々の関心事は多岐に渡りますが、その中で数少ない共通の話題となりうるのが天気と恋愛です。
そして、「起承転結」は人々が受け入れやすいフォーマットであると同時に、カタルシスを感じさせるための装置でもあります。
「ぼく明日」は王道を行くテーマとストーリー構成にファンタジーチックな設定を加えた作品と言えます。