はじめに
今回は、この20年間のトップ選手のタイトル数を比較する。対象とした選手は、ランキングでトップ5を経験した1981年以降生まれの選手26人である。
フェデラーの誕生年である1981年をカットオフ値として採用した。
ランキングのトップ5経験に関しては、2022年1月24日現在の情報である。
対象選手
26人の選手を下の表で生年別に示す。
| born | player | player | player | player | player |
|---|---|---|---|---|---|
| 1981 | Lleyton Hewitt | Nikolay Davydenko | Roger Federer | ||
| 1982 | David Nalbandian | Guillermo Coria | David Ferrer | Andy Roddick | Tommy Robredo |
| 1983 | |||||
| 1984 | Robin Soderling | ||||
| 1985 | Stan Wawrink | Jo Wilfried Tsonga | Tomas Berdych | ||
| 1986 | Rafael Nadal | Kevin Anderson | |||
| 1987 | Andy Murray | Novak Djokovic | |||
| 1988 | Juan Martin Del Potro | Marin Cilic | |||
| 1989 | Kei Nishikori | ||||
| 1990 | Milos Raonic | ||||
| 1991 | Grigor Dimitrov | ||||
| 1992 | |||||
| 1993 | Dominc Thiem | ||||
| 1994 | |||||
| 1995 | |||||
| 1996 | Daniil Medvedev | ||||
| 1997 | Alexander Zverev | Andrey Rublev | |||
| 1998 | Stefanos Tsitsipas |
1988年以降のトップ5経験選手は各年で高々2人である。一方、1981年、1982年にはそれぞれ3人、4人のトップ5経験者がいる。
これは、ビッグ4のフェデラー、ナダル、マレー、ジョコビッチがツアー支配を確立した後に、トップ5に食い込むことが困難になったためだと考えられる。
タイトル数比較
ATPの統計サイト｢Ultimate Tennis Statistics｣の「Titles and Results Chart」ページを利用する。Players欄に下に示す選手名の列をコピペし、「Draw Chart」ボタンでタイトル数の時系列グラフを描画する。「by age」にチェックを入れると横軸を年齢にすることができる。
Lleyton Hewitt,Nikolay Davydenko,Roger Federer,David Nalbandian,Guillermo Coria,David Ferrer,Andy Roddick,Tommy Robredo,Robin Soderling,Stan Wawrinka,Jo Wilfried Tsonga,Tomas Berdych,Rafael Nadal,Kevin Anderson,Andy Murray,Novak Djokovic,Juan Martin Del Potro,Marin Cilic,Kei Nishikori,Milos Raonic,Grigor Dimitrov,Dominic Thiem,Daniil Medvedev,Alexander Zverev,Andrey Rublev,Stefanos Tsitsipas,
結果
結果はこちらの2枚のグラフである。
まず時系列のグラフでは、フェデラーがタイトル数で先行し、それをナダル、ジョコビッチ、マレーが順に追いかけるという流れが見られる。
ビッグ4以外でタイトル数20の壁を超えたのは、ヒューイット、ロディック、フェレール、デルポトロ、チリッチのわずか5人である。
次に年齢別のグラフを確認しよう。
ビッグ3のナダル、フェデラー、ジョコビッチが類似した経過を辿っている。ビッグ3の中ではナダルが20歳までに17個のタイトルを獲得し、早熟であったことが分かる。
ビッグ3に次いでタイトル数が多いのはマレーである。マレーやロディック、ヒューイットがビッグ3に次ぐ集団を形成している。ズベレフはこの第2集団と似た経過を辿っている。
それ以外の大部分の選手は第3集団を形作っている。
26歳目前のメドベージェフのタイトル数は現在13個である。マレーのタイトルは現在46個。26歳から30歳までの5年間でマレーのタイトル数に追いつくためには、年7個のペースが必要である。メドベージェフ、ファイト！
まとめ
1981年以降に生まれた選手のうち2022年1月24日までにトップ5を経験したのは26人である。
タイトル数で他を引き離しているのはビッグ3である。それに続く第二集団をマレー、ロディック、ヒューイットが形成する。