今週は、ATPファイナルズがイタリア・トリノで開催されて、2021年獲得ポイントの上位8選手が出場しています。今回は、ATPファイナルズ出場選手のランキング推移を調べました。ただし、第6シードのベレッティーニが棄権したため、交代選手のシナーも含めて、上位9選手に関してまとめました。
出場9選手のランキング推移を見ると、第1シードのジョコビッチだけが2008年以前にトップ10入りを果たしていました(図1)。ジョコビッチ以外の8選手はみな25歳以下の若手です。
ジョコビッチ以外の8選手でトップ10入りが目立って早いのは第2シードのズベレフでした。ズベレフは2017年にトップ10入りを果たしています。その次にトップ10入りを達成した集団は、2019年達成のチチパス、メドベージェフ、ベレッティーニでした。
それに続いて、ルブレフが2020年にランキング10位以内に突入しました。そして、残りのフルカッチ、ルード、シナーは今年にトップ10デビューを果たしたライジング・スターたちです。
今年のATPファイナルズは、年長のジョコビッチ、経験のある若手5選手(ズベレフ、チチパス、メドベージェフ、ベレッティーニ、ルブレフ)、ライジング・スター3選手(フルカッチ、ルード、シナー)が争う構図を見て取ることができます。
次に出場9選手の年齢に対するランキングの推移を見ました(図2)。そして、そのタイプを次の3種類に分けました(図3)。
①【早熟型】ジョコビッチ、ズベレフ、チチパス、シナー
②【中間型】ルブレフ、ルード
③【遅咲き型】メドベージェフ、フルカッチ、ベレッティーニ
①の早熟型は、17.5歳前後で500位内に入り、20歳前後でトップ10入りを達成しています。ジョコビッチ、ズベレフ、チチパスという現在のトップ選手がこのタイプに属しているなか、シナーもこのタイプに属しています。このまま、シナーが大きな怪我なく経験を重ねていけば確実にトップ3に入り、トップ1入りもほぼ確実と考えられます。
③の遅咲き型は20歳前後でトップ500に入り、約22.5歳でトップ50デビューしています。興味深いことにメドベージェフはこの遅咲き型ですが、見事トップ2にまで昇っています。
②の中間型は、①早熟型と同様に17.5歳前後でトップ500入りしていますが、20歳頃の時期に50位から100位台のあたりで一度停滞しています。その後は22.5歳過ぎにトップ10デビューを果たしています。ルブレフは一度怪我をして、その時期にランキングが停滞していました。
今回は、ATPファイナルズ出場選手のランキング推移を調べました。誰が決勝トーナメントに進出するか、そして誰が優勝するか楽しみです。
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