恒星間ボトルメール

Interstellar Message in a Bottle

エントロピー(entropy)

 ヨビノリの『【大学物理】熱力学入門④(エントロピー)』を視聴しました。

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 エントロピーはエンタルピーと似ていて紛らわしいですが、全く別物です。以前、エンタルピーについて扱った続きとして、今回はエントロピーについて扱います。まず、復習として、エンタルピーHはH=U+PVと定義される状態量でした。エンタルピーはエネルギーと同じ次元の量です。そして、エンタルピー変化は定圧過程において系に出入りする熱に等しいのでした。

 一方、エントロピーSの微小変化dSは、dS = d'Q/T(準静的過程)と定義されます。すなわち、準静的過程で入ってきた微小な熱を温度で割った値がエントロピーの微小変化です。可逆過程で出入りした熱d'Q_revという表記を使ってdS = d'Q_rev/Tと定義しても同じです。だいたいの場合において、準静的過程と可逆過程は同じとみなして差し支えないようです。

 動画でヨビノリさんはエントロピーの定義の解釈を次のように説明していました。まず、エントロピーは乱雑さの指標とみなすことができます。そして乱雑な運動を引き起こすのは熱です。それゆえ熱の出入りd'Qは乱雑さの増加を意味します。d'Qを温度Tで割っているのは、元々温度が高いときは少し熱を加えても乱雑さはそれほど上がらないが、元々温度が低いときは少し熱を加えただけで乱雑さがあがることに対応すると解釈できます。

 準静的過程でないとき、エントロピー変化は一般に、「dS >= d'Q/T_外」と表せます。つまり、準静的過程よりもエントロピー変化は大きくなります。これの積分形は⊿S >= integral(d'Q/T_外)となります。

 ここから、熱力学第二法則エントロピー増大則)の形を作れます。積分形において断熱過程ではd'Q=0なので、⊿S >= 0となります。つまり、熱力学第二法則は、⊿S>=0(断熱過程)と表せます。

 以上をまとめるお、エントロピーは乱雑さの指標となる状態量であり、dS = d'Q/T(準静的過程)と定義される量です。

 エントロピーに関する続きは近いうち、別の機会でまた書きます。本日もお読みくださりありがとうございました。