恒星間ボトルメール

Interstellar Message in a Bottle

サービス練習の確率分布

 テニスコートでファーストサービスの練習をするとしよう.サービスが12回インになるまでサービスを打ち続けるとする.12回成功するまでに何回失敗するだろうか.ただし,ファーストサービスがインになる確率を0.6,フォルトになる確率を0.4とする.

 規定の回数成功するまでに失敗する回数が従う確率分布は「負の二項分布」と呼ばれる.目標の成功回数をr回,1回の試行の成功確率をp,失敗確率を1-pとする.このとき,目標回数だけ成功するまでに失敗する回数の期待値はr * (1-p) / pである.そして,その分散はr * (1-p) / p^2である.

 サービス練習の状況設定に戻ろう.目標の成功回数は12回であり,1回の試行の成功確率は0.6である.よって先程の公式を用いて,目標を達成するまでの失敗回数の期待値は8回と分かる.

 実は負の二項分布の期待値の公式は直観的に理解することができる.サービスの成功を「O」,サービスの失敗を「X」と表すことにすると20回のサービス練習の結果はたとえば次のように表せる.「XXXXO, OOOOO, XXXXO, OOOOO」.ただし見やすいように5回ごとにカンマで区切りを入れた.20回サービス練習をしたとすると,成功確率が0.6回であることので成功回数の期待値は12回である.そして失敗回数の期待値は8回である.この8回を失敗回数の期待値として答えることができる.

 ちなみに目標の成功回数が1回である場合の確率分布は幾何分布と呼ばれ,その期待値は(1-p) / p,分散は(1-p) / p^2と表せる.これは先程の公式でr=1とした場合である.

 日常の他の場面でも目標の回数だけ成功するまでトライアルを続けるという状況はあるだろう.そのような場合の失敗回数は実は負の二項分布と呼ばれる確率分布に従い,その期待値や分散は以上のように簡単に計算できるのである.